コロナ禍において私が最も欲したもののうちの一つは間違いなく「庭」だった。
自分の庭でおてんとさんを存分に浴びながらの自宅勤務を夢見た人も多かったのではないでしょうか?
そんな今回は京都を拠点に庭師として活躍されている佐野さんにGarden Labでのインタビューの機会をいただきました。
佐野さんが5年ほど前にデザイン、施工されたGarden Labの庭。築100年超の町屋を改修したコワーキングスペース、イベントスぺースで、宿泊の複合施設で私も何度かイベントなどで使用させていただいたことがあります。
インタビューさせていただいた当日は次の日のお茶会に向けての庭の手入れをするということ。
佐野さんが庭師を始めたきっかけ、基本的な庭のデザインの仕方、庭に対する思い、道具の説明、見えない排水計画〜手入れについてまで、丁寧にお話しいただきました。
左:石のベンチに腰掛ける佐野さん
印象的だったのは石を選ぶ際に上部が平たい石を選んで木の周りに配置することで、人が居付ける場所を意識的に作ったと言われていたこと。石を選んで配置するその工程はラウンジに家具を配置するかのように聞こえた。
植栽や石はもちろんのこと、木工事から左官まで、「言われればどこまででも手を伸ばします」とおっしゃっていた佐野さん。てっきり門や柵など、その他生じる木工事は大工さんにお願いするものだと思っていた私は、扱われているマテリアルの多様さに正直びっくりしてしまった。
左:上から順に ・佐野さん現在愛用中の剪定ばさみ
・岡恒の剪定ばさみ
( 海外製の剪定ばさみを真似て日本人が開発)
・海外製の剪定ばさみ (佐野さん曰く日本人の手にフィットしにくい)
・佐野さんの父の使用していた剪定ばさみ
・佐野さんの祖父の使用していた剪定ばさみ
左:使用用途に応じて使い分ける4種の手箒(てぼうき)
使用しているとだんだん小さくなっていき、小さくなればなるほど硬い表面を力強く履くことができるとのこと。
左:色の違う丸い石は解体時に出てきた漬物石
昔は一家に一つあったという漬物石。解体時に出てきた石はなるべく再利用して使うようにしているとのこと。
左:日が暮れる頃の庭
庭づくりにおいて一番気をつけていることは何ですか?という私の質問に「庭主のことを考えることだ」と答えてくれた佐野さん。
「庭は生き物なので毎年の変化に対応しなければいけない」とのこと。庭づくりが建築工事に盛り込まれているシステム上、エンドユーザーと直接話をして進めることがしにくいのが問題だと語られていた。
庭主が日常的に手入れをできる人なのか、しない人なのか、庭に何を欲しているのか、これらは庭主との直接のコミュニケーションをとること以外にはなかなか見抜けないだろうと想像できる。
最後に庭掃除をしたのはいつだろう?
佐野さんと庭でお話をしながら、昔はよく朝起きて庭の木の周りをおばあちゃんと掃除していた幼少期のことをふと思い出し、懐かしく感じた。
私も将来はお庭のある家に住みたい!と思った今回のインタビューでした。
佐野さん、この度は貴重なお時間をいただいてありがとうございました!
Teiyu
http://www.teiyu28.jp
Thank you so much for reading! See you in the next article!
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